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霊的な熱帯雨林が産み出す気配は人を虜にする

例えば、20年近く愛聴している、元・スペースメン3のソニック・ブーム率いるスペクトラムの1stアルバム『Soul Kiss(Glide Divine)』。この上なくポップで美しい歌ものの1曲目の「How You Satisfy Me」が終わると、あとの2曲目以降はその曲の残響音で作られたようなサイケデリック・アンビエントが延々と最後まで続く。

もう一つ。最近中古で買ったルーク・ヘスの『Keep On』。ムーディーマン以降、つまりセオ・パリッシュ、オマー・Sらへと連綿と続くデトロイト・ハウスの血を受け継ぎ(まさにキープ・オン!)ながらも、そこにミニマル・ダブの要素を入れ込んだようなアルバムである。ラスト12曲目、「Inheritance」が終わると無音状態になり、やがてモヤッとしたドローン・サウンドみたいのが何分か響き、唐突に終わる。

この2枚のアルバムに共通して感じるのは、一つの楽曲、それが集まったアルバムが再生し終了した後に残る余韻、そして何よりも「気配」だ。ホスピタル・プロダクションから79本限定でリリースされたというカセットを12インチEP化した、レインフォレスト・スピリチュアル・エンスレイヴメント(以下、RSE)の本作はまさしくその「気配」だけで出来ているようなアンビエント・ドローンである。しかし、それは前述のように楽曲や盤そのものから派生しているというよりも、RSEの首謀者であるドミニク・フェルナウの一連の活動がその元となっているのではないだろうか。

ハーシュノイズとインダストリアル・ロックを行き来するプルリアントをメインに、脅迫的に反復するリズムとピープー鳴ってるシンセがかつてのミニマル・テクノを思い起こさせるヴァチカン・シャドウ。また、ジョイ・ディヴィジョンを現代によみがえらせたような(そんなの腐るほどいるが)コールド・ケイヴの他、アッシュ・プールというブラック・メタル・バンド、ザ・ニュー・ブロッケイダーズのリチャード・ルペナスを中心とした不定形ノイズ・ユニット、ニヒリスト・アソルト・グループなどへの参加など、多岐のジャンルへ跨がって活動する彼だが、いわゆる「ジャンルの壁を破壊しよう」みたいなものは感じない。むしろ、その壁を感じながら、持てるだけの自分のヒマと財力(前述のホスピタル・プロダクションはドミニク主宰のレーベル。音楽性も前述のようなこんがらがり具合を反映している)で、その時々にそれぞれの文脈やセオリーに忠実にやりたいものをやってたら、結果論としてそうなってしまった感じだ。

プルリエントは数年前に出た『電子雑音』最終号でのアメリカ新世代ノイズ特集で取り上げられたりしてたので知ってはいたが、個人的に彼の音楽をきちんと聴きだしたのはヴァチカン・シャドウが騒がれだしてからなので、実は最近。しかも、そのほとんどが限定盤で聴こうにも聴けないものも多い。だから、ドミニク・フェルナウが作り出す音楽についてデカい口も叩く資格もないのだが、それでも言いたい。

ジャンルは融合しない。常にチグハグとして線を引かれた上で、お互いを睨みつけながら差異化する。
その軋みから生まれる不協和音、それこそがドミニクがRSEとして醸し出す気配の正体なのかもしれない。

rsensla.jpg
Rainforest Spiritual Enslavement
「Black Magic Cannot Cross Water」
(Blackest Ever Black ‎– BLACKEST015)
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RECORDer編集長。
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