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ポップはそれ自身に喰い荒らされてしまうだろう

以前、ディアンジェロの完成間近と噂される新作について、参加しているザ・ルーツのクエスト・ラヴが「(ビーチ・ボーイズの)『Smile』のブラック・ ヴァージョンだ」と発言していたのを見て、ずいぶんとまあデカく出たなあと思ったものだが、グラビアアイドルとして活躍する小池唯(YUI)をセンターに草野日菜子(HINA)、和田えりか(WADA)で編まれた、トマトゥンパインの2ndアルバム『PS4U』のタイトルもまた然り。なぜならばPop Song For You、つまり「君のためのポップソング」という意だからだ。『Smile』制作中のいけないおクスリをキメキメして分裂がかってた頃のブライアン・ウィルソンだって、何年か前まで似たような状態だったらしいディアンジェロだって……いや、だからこそ、そんな大層で直情的なタイトル付けなかったよ。

しかし、アルバムの始まりを知らせる電車の発車ナレーションとベルを模したイントロに、スキャットマン・ジョンの「Scatman (Ski Ba Bop Ba Dop Bop)」を下敷きにしたトマパイのテーマ曲「Train Scatting」で始まり、間髪入れず2曲目のダンスミュージックアンセムな「ワナダンス!」へと入るサワリからして、そのタイトルが単なる誇大妄想でなかったことを知るだろう。以下、ラテンフレーバーな「踊れカルナヴァル」、モータウンポップ風な「シングルガール女性時代」といった新曲やシングル曲。パフィーやZONEのカバー。そしてリプライズ的に鳴る「ワナダンス!」のインテグラル・クローヴァーによるリミックス・バージョンで締めるまで、プロデューサー集団〈アゲハスプリングス〉が手がけるダンスポップを軸にしたトラックもさることながら、アゲハの主宰者である玉井健二と作詞家&コラムニストのジェーン・スーの共作による歌詞も含めて、とにかく楽曲とコンセプト・アルバムとしての構成の素晴らしさだけが際立っているのだ。

一部ではトマパイが3人組であること。アゲハスプリングスがYUKIの「メランコリニスタ」や元気ロケッツの「Heavenly Star」などのようにクラブ・ミュージックを意識した楽曲制作で知られる事もあってか、パフュームと中田ヤスタカを引き合いに出す向きもある。確かにオートチューンの多用とソフトウェアで完結するような制作手法は同じかもしれないが、本作に関して言えば、音楽的には似て非なるものではないだろうか。なぜなら、中田が見せるフレンチエレクトロを始めとしたクラブ・ミュージックへの忠実さよりも、某レコ屋で本作がブース展開されたとき、筒美京平のディスコ歌謡コンピが関連商品として一緒に置かれていたという事実が示すように、
トマパイの楽曲には歌謡曲〜ポップスが持つ、どこかうわっついた雑多さを感じる。

そういう意味でも特筆すべきが、M-12の「そして寝る間もなくソリチュード(SNS) 」だろう。歌い出しの入りはピコピコとしたキュートなテクノポップなのだが、次の小節にはベースラインが加わり、そして次の小節にはギターが、というように曲が進行するごとに音の要素が増え厚みが加わっていく事により、ヘヴィなギターサウンドへと変化(同時にラップのように散文的で韻を踏んだような歌詞も皮肉というか毒が増していってるようにも思える)。そして、2番のサビ部分でギターの速弾きとともにブラストビートが鳴り、一気にデスメタルへと化すのだ。

極端な例かもしれないが、個人的にはこういう、一見相容れないような極と極を見事にモーフィングするようなアレンジこそ「君のためのポップソング」が持つ醍醐味だと思うのだ。Pop Song For You、略してPS4U──とにかく、そのタイトルに不足なし!


tomapailp.jpg
Tomato n'Pine
PS4U
(ソニー/SRCL-8035〜6 *初回生産限定盤)



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RECORDer編集長。
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