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ヒップホップ以前/さらに以前

V.A. The Minimal Wave Tapes Vol. 1
minimalwav 
 (Stones Throw STH-2223)


昨年、youngSoundsの1stアルバム『bootleg of ys』(Less Than TV)の発売記念ライブで配布するフリーペーパー掲載用に、僕がメンバーの谷口順とやけのはらにインタビューした時のこと。
話の流れで、やけのはらが「ストーンズ・スロウの人に曲をリミックスしてほしいんですよね」と言った。
僕は「あ、ダムファンクのことだろうな(当時、デイムファンクと発音することを知らなかった)」と思ったが、「ピーナッツ・バター・ウルフとか?」と、全然違う固有名詞を出すと、やけのはらは「いやいや」と言って、案の定、ダム…もとい、デイムファンクの名を口にしたのだった。
その箇所は、文字数の関係で削除してしまったのだが、僕がこの時、あえて、この名前を出したのには理由がある。

確かにリミックスをやらせるなら、デイムファンクの方が面白いだろう。しかしポスト・パンク的なセンスで、様々な要素がぐちゃぐちゃになってる
youngSoundsのサウンドを、いちリスナーとして理解してくれるのは、レーベルの親玉でそのテのレコード・コレクター。以前組んでいたバンド、BARON ZENでも、ポスト・パンク的なサウンドを追究していた、ピーナッツ(以下PBW)の方なのかもなあ、と思ったからだ。
本作はその嗜好を証明するかのように、PBWが「70~80年代に生まれた、北米~ヨーロッパのアングラでDIYな電子音楽」を再発するレーベル、ミニマル・ウェイヴ(MW)の作品群を、MWの主宰者、ヴェロニカ・ヴァシカと合同でコンパイルしたもの。

僕はMWのことは知らなかったのだが、ストーンズ・スロウのポッドキャストで、ヴェロニカによるDJミックスを聴いていたので、輪郭はわかっていた。
それは「ポスト・パンク」もしくは「ポスト・ミニマル」といったものよりも、ロジック・システムやレジデンツなどをプレイリストに入れている、DJハーヴィーみたいな人が好んでかけそうなエレクトロニック・ディスコ調の匂いが強い。

例えばリニア・ムーブメント「Way Out Of Living」なんて、スライ&ザ・ファミリーストーンのドンカマとギターのカッティングが絡んでる部分を編集→加工のうえ、ひたすら反復させてるかのようだし、収録曲の中で唯一知っていた、演説のコラージュから始まる、エスプレンドー・ゲオトメリコの禍々しい音も、この並びだと、そういう風に思わせてしまうものがある。
さっきも書いたように、僕はMW(およびヴェロニカ)のことは知らないのだけれど、少なくともPBWは、これらの地下音楽をエンターテインメントとしてのソウル/ファンクとして捉えているような気がする。

そんなことを書くと、例のアフリカ・バンバータ先生の「クラフトワークはファンキーだ!」という名言を思い浮かべてしまうが、まさしくPBWの場合もその延長線上にある。単に自分の趣味というよりも、現在のヒップホップを形作る前の一片として、本作をコンパイルしたのではないか。

それはジェームス・パンツ、デイムファンク、メイヤー・ホウソーンといった、モダン・ソウル、エレクトロ・ファンク、サイケデリック・ロックなど、60~80年代にレイドバックしたような音楽性(それはジャンルこそ違え、ヒップホップを形作った一部でもある)を前面に打ち出したアーティストを送り出す、最近のストーンズ・スロウのセンスとも、確実にリンクしていると思う。

みんな、一つの型が出来上がって普及すると、その次(=ポスト)を求めたがる。しかし、今、PBWがストーンズ・スロウがやろうとしていることは、その前のプレ、未分化な音楽への愛情なのだ。
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RECORDer編集長。
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