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蛭子とボアと加護とPE

90年代前半の『ガロ』誌上にて、こんな告知が載ったことがある。
「幻の名盤解放同盟のプロデュースによる蛭子能収のアルバム制作中。バックはボアダムズ!」みたいな感じ。しかも根本敬によるジャケット予想図まで描かれており、ガロがレーベルを設立してうんぬんかんぬんとあったのも記憶している。

今となっては、その詳しい経緯は不明だが、根本と山塚アイは『ワッツイン』(1993年4月号/CBSソニーマガジンズ)で対談したり、同時期だったと思うのだが、『スーパー写真塾』(少年出版社、現コアマガジン)のインタビューで、根本は同盟的な音楽として、ボアの名を挙げたりしてたので、自然発生的にそういう話が持ち上がったのではないかと思われる。


このコラボ盤が出なかったのは、単純にダウンタウンとボアが共演したときの坂本龍一みたいなコーディネーターがいなかったからだと思うが、あまりに面白過ぎて、告知した時点でもう95%完成したようなもんというのもある。壮大なる出オチ。少なくとも同盟の三人とその告知を見た読者の中では、脳内でそのアルバムは完成してるんだよね、現物として世に出なかっただけで。


だからというわけではないが、「加護亜依とパブリック・エネミーが共演、しかも『ラムのラブソング』のカバー!」というニュースを聞いた時、ホントにそんなの実現すんのって感じだった。遅れているという第二報が出た時点で「やっぱりなあ...」とほとんど確信に変わり、年が明けるとほとんど忘れていた。
そんなおり、先日『おもいっきりDON』を観ていたら、トーク・ゲストの篠原ともえが、この『キラキラ♡魔女ッ娘♡Cluv』の告知をしていて、発売にこぎつけたことを知ったのであった。テレビでの告知って、基本どうでもいいけど、たまには役に立つのもあるんだね。

kiramajo.jpgV.A.『キラキラ♡魔女ッ娘♡Cluv』(P-VINE)

本作はタイトル通り、魔女っ娘アニソンをアイドルとクラブ系アーティストがコラボしてカバーしたもの。ただ、こういうのって、それなりにレベルの高いデモ演奏のようなトラックでアイドルが歌う、というカラオケに毛が生えたものになりがちなんだが、まあ、実際30曲も収録されていれば、そういう曲もあります。でも、違うのもあります。
そもそも、こういう企画って、中原昌也のところで書いた「ポップとポップス」の境界線をグンニャリと曲げるためにあるものだから、オリジナルをいかに自分の手癖で再構築するかが聴き所なんだと思う。その観点で個人的に面白いと思ったのは以下の通り。

■DISC1
5. テレポーテーション.恋の未確認「エスパー魔美」 真凛×真保☆タイディスコ
6. おジャ魔女カーニバル!!「おジャ魔女どれみ」OP 里見茜× BOOTSY COLLINS
11. Bin.Kanルージュ「魔法の天使クリィミーマミ」 鈴木凛×cherryboy function
15. 見知らぬ国のトリッパー「魔法の妖精ペルシャ」OP 磯山さやか×STRINGS BURN(Pan Pacific Playa)

■DISC2
9. スキ? キライ!? スキ!!!「ゼロの使い魔~双月の騎士~」ED 朝倉えりか×LATIN QUARTER(Pan Pacific Playa)
14. デリケートに好きして「魔法の天使クリィミーマミ」OP 篠原ともえ×篠原ともえ


ただ、楽曲として一番素晴らしいのはこれなんだけど。

■DISC1
14. Catch You Catch Me「カードキャプターさくら」OP 杉本有美×矢野博康

でも、この曲は反則だと思う。矢野博康みたいな優秀なポップスの職業作家の側面を持つ人がやったら、素晴らしいに決まってるよ!

また、本作には杏さゆりも参加しているのだけれど、杏といえば、その矢野による作曲編曲+土岐麻子・作詞というシンバルズ・コンビによる「100 Magic Words」(04年)という、素晴らしいデビュー・シングルを出して、スキモノを狂喜させたものの、あとが続かなかった歌手としては残念なコ。余計なお世話だが、その不遇ぶりまで引き立つような気もする。
また、その杏参加曲がまた特別イイわけでも悪いわけでもないうえに、それに追いうちをかけるように、この杉本有美の曲が「100~」の変奏みたいな感じ──つまりはシンバルズから続く矢野の十八番パターンで、余計に僕をチョチョびらせ、むせび泣かせるのだった。


あと、帯に「生声での熱唱」とあるように、ジェイZに呼応するがごとく、アンチ・オートチューンをここに宣言したところも本作の特徴であろう。もちろん、ピッチとか多少の加工はしてるんだろうし、生声というには怪しい曲もあるが、ほとんど全曲にヴォーカル・アレンジャーがつき、しかも、その大半が万波麻希だったりして、やたら「声」の部分にこだわりを見せている。
そういう意味で言えば、中田ヤスタカより小西康陽イズムに沿ったところは、ある意味で保守反動的なのかもしれないが、あまりにその手法が氾濫しすぎな昨今、それはそれで評価すべきかなと。


それはそうと、加護亜依×Mr.Hardgroove(Public Enemy)だが、これって出来は......まあ、加護とPEの両者を
組み合わせたことだけで意義があるということにしときましょうか。
そういえば、加護ってモー娘。時代にジェームス・ブラウンとも、特番のレポーターとして絡んでいるんだよね。詳細は「加護亜依 ジェームス・ブラウン」とかで各自ググってもらうとして、なぜ、こんな事故が起きたかというと、当時、モー娘。が「そうだ! We're ALIVE」という、そこらへんに落ちてるゴミを拾い集めて、大量のボンドでくっつけたような「シンナー臭いファンク歌謡」(ホメ言葉)を歌っていたため、その番組のスタッフが仕掛けたアングルだと、僕は勝手に思いこんでるのだが、ブラウン管の中の両者はとにかくスウィングしてなかったことしか覚えていない。

それにしても、JBとPEという黒人音楽史上に偉大な功績を残した2組と絡んだ加護亜依は、そっちの意味でのブラック・アイドルとしても、特筆すべきではないだろうか。

pepoetic.jpg
『waxpoetics japan』(No.08/GruntStyle)のレコード屋流通版。リリースタイミングを合わせたがごとく、PE表紙ボム・スクワッドの特集記事が載ってるということで。ちなみにロジャー・トラウトマン(ZAPP!)やJ・ディラの記事も恐ろしく充実
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RECORDer編集長。
ひとりE.A.R.(永遠に丁稚)

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