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ふたりのストゥージス

snyder_doug_lp.jpg
Doug Snyder & Bob Thompson
 『Daily Dance』
(Cantor CR02/1973→2009)


ストゥージスのライブを観て衝撃を受けた、アメリカはシンシナッティに住む、ダグ・スナイダーとボブ・トンプソンの二人は、1972年10月、トンプソンの自宅のキッチンにレコーディング機材を設置し、ギターとドラムによる即興のセッションを録音します。それは翌73年に自主盤として500枚プレスされ、世に出ました。そして、それはCDとなり、昨年末、再びLPとなって世に問われることとなったのでした──。


本作の紹介を手短にまとめると、こんな感じになるが、個人的には楽器もまともに触ったことのないバカが、ストゥージスのライブを観たばっかりに衝動的に作ってしまったものだと思っていた。

だって、ストゥージスって、ドタバタ・コメディ「The Three Stooges(邦題:3バカ大将)』から取ったものだし、ロマン優光の方が僕より1000倍は詳しいだろうけど、プレ・パンクものは往々にして、こういうものがあるからだ。


しかし、いざレコードに針を落として、僕が最初に思ったのは、キッチンおよび二人組つながりというのか、ホーム・パーティーで嫌がらせのように爆音で演奏したこともあるというライトニング・ボルトだ。しかも、2004年の来日時、演奏中に電圧の問題からダウンしてしまったアンプを尻目に、ずっとドラムがビートを叩き続け、電源が復活してアンプの調子が戻るまで、ずっとベースとドラムが、お互いを探り探り音を出し合っている時の状態というか。

l_bolt040311.jpgライトニング・ボルト、2004.3.11渋谷nestでのライブ

確かにインプロでフリーでノイジーなのだが、演奏力があるというのか、単なるメチャクチャではないことがわかる。今の時代にも超える普遍性があって、素直にアヴァンギャルドとしても、ロックとしてもカッコイイ。

 
添付のライナー・ノーツを、なんとなくわかりそうなとこだけ訳してみると、そもそもはきちんとバンドをやってた人たちで、タイトル自体が、アシッド・テストで有名な作家、ケン・キージーの小説『Sometimes a Great Notion(邦題:わが緑の大地)』の文中から取っているように(僕は未読)、 ロックにおける、フリーク・アウト方面というか、そういう文脈にいた人たちなのだ。

つまり、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1stアルバムは500枚しか売れなかったが、聴いた人すべてはバンドを始めた」とか「MC5は当初、R&RやR&Bに影響されていたロックバンドだったが、ホワイト・パンサー党首のジョン・シンクレアがマネージャーにつくと、サン・ラー、ジョン・コルトレーン、アルバート・アイラー、アーチー・シェップといった、フリー・ジャズに深く薫陶を受けるようになる」とか、そういう感じのやつ。


スナイダー執筆のライナーによると「1966年後半、僕の生活にヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコが入り込んできた」とし、MC5の弟分ということで知ったストゥージスをヴェルヴェッツと共に自分の基礎とし、「ファラオ・サンダースの『Tauhid』でのソニー・シャーロックのギターもろとも、その思いを相方のトンプソンと共有した」(←ここらへんの訳、全く自信ナシなので参考程度に)とかなんとか書かれている。

インテリと言えばインテリなのだが、やはり、彼らはバカに影響された真のバカだったと思う。だって、当時のストゥージスってこんなんだよ。



首輪をつけた半裸の男が転がり回って客席に突っ込み、あげくにピーナッツ・バターを体に塗り込む。バカ過ぎる! しかも、この映像は1970年のオハイオ州シンシナッティでのライブ。つまり、この二人の地元でのものなのだ。一部のレコード屋のサイトでは、ライブを観たのは71年となってるのだが、実はこれを観てたんじゃねえの、って気もするのだ。いずれにせよ、ヴェルヴェッツやMC5やフリー・ジャズが好きな奴が、こんなの目の当たりにして影響受けるなって方が間違ってると思う。

ストゥージスのデビュー・ライブは、掃除機とジューサーミキサーのフィードバック音が、会場中をこだまする中、イギー・ポップはベビードールを着て女装して、ガナってたという(ちなみに掃除機という「楽器」は、ゲロゲリのライブでも引用されることになる)。イギーたちがそこで鳴らしていたサウンドとは「飛行機が部屋に飛んだらこんな感じ」という、『ドリフ大爆笑』のもしもコントのテーマのようなものだったという。

要はスナイダーとトンプソンがキッチンで、ドラムとギターを思い思いに奏で、図らずも出来た本作そのまんまだ。しつこいが、バカはやはりバカにこそ受け継がれる。彼らのことをこの上なく敬意を込めて「2バカ大将」と僕は呼びたい。

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