ムードマンは、本名の木村年秀名義で『ミュージック・マガジン』での96年の年間ベストテンでの「音響系」という括りで、ボリスの『Abusolute Ego』、ディスクローズの「Visions Of War」[*2]、ホイ・ヴードゥーの『ファスト・ビデオ』をセレクトしている。「音響という切り口でチェックすれば、枠を外した音楽の聴き方は可能です」とし、その個人的なサンプルとして、マイアミ・ベースとクラスト・コアを挙げ、「物事を突き詰めて行く過程で産み落とされた音楽なので、音響的にもかなり独自な視点に着地している。本気で凄い」と賞賛している。
これ以降、二人はクラブ・ジャマイカでの〈低音不敗〉という、マイアミ・ベースを基本にあらゆる低音を鳴らすパーティー(残念ながら行ったことなし)や、日本発のベース・コンピ『KILLED BY BASS』などで、低音に対する追求はさらに深く行われるが、DJとしてはお互いソロとしての活動がメインとなっていく。僕の記憶では、宇川直宏が主催したQバート&Dスタイルズの来日公演の際、DJクワイエットストーム、DJ ARIとセッションしたのが最後だったのではないだろうか。