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月並みとはわかっていても書いてしまいたいこともある

ZENI-GEVAは90年代後半ぐらいに、ライブを何回か観たり、アルバムもよく聴いていたのだが、メンバーの岸野一之のソロプロジェクトであるKK NULLに関しては「ジャパノイズの先駆者」という記号は知っていても、その音にはほとんど縁がなかった。あるとしても、メルツバウのリミックス盤か、(勘違いかもしれないが)ブレイクコア周辺でその名を見た記憶があるぐらいのものだった。だから失礼を承知で言えば、本作をプレイヤーにぶち込むまで、ノイズなんだろうなあぐらいのものでしかなかった。

しかし、再生が始まった刹那、スピーカーから流れたのはノイズというよりもひしゃげた電子音だった。やがてそこに鋭角なリズムが切り込んでくる。それこそブレイクコア風からトライバルなものまで多彩。予想外だが……いや、だからこそいいぞ、これはいい。あわてて付属の山本精一のライナーをざっと斜め読む。2009年にマルセイユで行われたライブを編集なしでまんま収録したものらしい。そうこうしてるうちに、やがてそこに環境音までミックスされる。とにかく粒子がぶつかりあいながらも、一つの形を作りは散り、そしてまた集まって別の形になったかと思うと、砕けてまた……。

これはノイズではない。さっきも言ったようにNULLの音楽は本作しか知らないが、少なくとも本作にその言葉は使えない。実際、山本のライナーもそれを引用した帯のコピーも、この音の比喩として一切その言葉は言葉は使われていない。あってもそれは「ノイズ・アーティスト」という少々の皮肉さえ感じるカギカッコ付きの表現だ。あるのは宇宙音というどうとでもとれる言葉だけ。

だからってわけでもないんだけど、個人的にはサン・ラーを思い出した。ホントはこの比喩さえも余計な先入観を与えるという意味ではノイズと同じくらい禁句なのかもしれないが、思っちゃったんだからしょうがない。月並みとはわかっていても書いてしまいたいこともある。特に電子音とリズムの絡みが『Disco3000』や『Media Dream』などで展開されているフリーキーさと同質のものを感じた。まるで、ラップトップからUSBケーブル経由で広がっていく、ひとりインターギャラティック・アーケストラ。あらかじめ用意された8つのシーンに区切られた40分48秒の旅。

普通、音盤を聴いてよかったら、そのアーティストの他のも探してみようということにもなるけど、個人的にはあまりそういう気にならなかった。むしろ、ライブを体験してみたくなった。でかいスピーカーでその音の広がりを聴きたいのだ。アッチ行っちゃったような書き方をすれば、その宇宙の一部になりたいのだ。サン・ラーは20年近くも前に一足先に宇宙へ飛び立ってしまった。でも、KK NULLは幸いにもまだ、ここにいるから。

null80.jpg
KK NULL
Extropy
(Hello From The Gutter HFTG-007/2009.7.31)

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