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常に出てくる言葉は「だから、なんなんだよ、これ?」

ハイプ・ウィリアムスは存在だけ前から知っていた。といっても音そのものは聴いたことがなく、ネット上に転がるアーティスト写真の画像のみ。いくつかバージョンがあるのだが、僕が引っかかったのは、車の後部座席に座って、煙を吐いて完全ストーンしてる黒人の男(ディーン・ブラント)。そして、その隣りで受動喫煙のせいかは知らないが、あらぬ方向を見ている無表情の白人の女(インガ・コープランド)。
「なんだよ、これ?」

そして、ハイパーダブからのアルバムリリース前にプロモ的にばらまかれた、未発表曲/バージョンを中心に収録したフリーアルバム『The Attitude Era』で彼らの音に初めてちゃんと触れたとき、その思いはさらに高まった。シンセドローンにピアノが思い出したようにポロンポロン鳴る曲。「ヘイヘイ!」というかけ声と「バ~ニングラ~ヴ」というコーラスのサンプルボイスにアッパーなリズムが付け加えられた狂躁的な曲。ブラックメタルをサンプリングしてスクリューしたような曲。かと思えば、美しく幻想的なボーカルが際立つ曲などがごちゃまんと33曲90分。
「だから、なんなんだよ、これ?」

ドナ・サマーを名乗っていたジェイソン・フォレストがマウス・オン・マーズのソニグから出した時の如く、同名のヒップホップ系PVディレクターの手前(?)、まんまメンバー名の名義で出した、前述のハイパーダブからのアルバムを聴いてもその印象は変わらない。収録曲の中で唯一題名がついているM-1"Venis Dreamway”からして、厳かにシンセが鳴るなか、場違いなまでにフリージャズみたいな荒々しいドラミングが。そしてM-9では変調された「デペロッパー」という声が意味も無くループする。曲の展開も含め、徹底的に唐突でナンセンスで抽象的。

とりあえず機材を立ち上げ、適当にいじり回す。なんかいいフレーズが出たらシメたもの。気分によっては、これまた適当に生楽器をプレイしたり、自分たちのボーカルを被せてハイ一丁上がり! いや、もちろん、彼らの曲作りがそういうものかはわからないし、恐ろしく生真面目に作ってる恐れもあるのだけれど。

ちなみに2年前のインタビューによると、彼らはスロッビング・グリッスルやキャバレー・ヴォルテール、23スキドゥーなどを好んで聴いていたようだ。ただ、あそこらへんの「しっかりはしてないんだけど、それはそれで成立している」というものよりも、その一丁上がり感覚において、(ほんの数枚しか聴いたことないのに引き合いに出すのもなんだが)LAFMSが長年生み出す、どこかマヌケかつ素っ頓狂なフリー・ミュージックの方に近いのではないだろうかと思っている。

マヌケと言えば、ハイプ・ウィリアムスが参加した、南アフリカのご当地ダンス・ミュージック「シャンガーン」のリミックス盤もまたそうだ。要はポンチャック同様、カシオトーン一台で作ったような、あのスットコ感あふれるグルーヴをいかに料理するかであり、ほとんどの参加者たちがビートに焦点を当てるなか、彼ら(とデムダイク・ステア)だけは原曲の構成要素というより、メロディとビートの間に漂う空気感を捉えているように思える。よって出来たものは、原曲を踏まえてはいるんだが、結果論として「自分たちの音楽」にしかなっていないのだ。いや、それ以前の問題にハイプ・ウィリアムスはホントに「自分たちの音楽を作ってる」連中と言い切れるだろうか。実は既に在る音楽をエフェクターに通してでっち上げてるだけなのではないか、そんな気持にさえなってくる。

最近のインタビューでブラントはラップについて訊かれ、「嫌い。俺の今までのベストは(オアシスの)『(What's the Story) Morning Glory』だ」と答えてる。「ウソこけ!」と思う。でも、同時に「ホントかも?」とも思う。人間とは他人をケムに巻いてナンボ、巻かれてもまたナンボ。ディーン・ブラントとインガ・コープランドが生み出すものは、まさしくハイプ──「嘘、大げさ、まぎらわしい」なのである。JAROってなんジャロ? 知らない。

hypew.jpgshangaan.jpg
L:DEAN BLUNT AND INGA COPELAND『Black Is Beautiful』(HYPERDUB/ビート BRHD012)
R:V.A.『Shangaan Shake』(Honest Jon's HJRCD58)



フラッシュとハーシュノイズの中をロードランナーで走る男。今年4月のマドリッドでのライブ。相関性は不明、全く不明
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